2026年6月17日〜20日、今年も、パリで開催される欧州最大級のスタートアップ&テクノロジーの祭典「Viva Technology/ビバテクノロジー」に参加予定です。2023年の初参加以来、今年で4年連続参加となります。昨年は、日本のスタートアップUnited Silkさんの現地サポートとして参加、世界的な大企業やフランスのラグジュアリーブランド、海外メディアなどブースに来訪する方々と出展側として交流し、とても刺激的でした。
この記事では、これから参加される方や、スタートアップのトレンドに関心がある方に向け、VivaTech 2026の見どころを紹介します。
目次
そもそも、VivaTechって何?
VivaTechの特徴は、「大企業とスタートアップの協業(オープンイノベーション)」を見られる場だということです。世界的大企業が構える巨大ブースに連携しているスタートアップが出展し、大企業の課題に対する解決策を示す展示スタイルを、開催当初から続けています。
また、フランスの国策「フレンチテック」の強力なバックアップもあり、官民連携した国際的なイベントとなっています。2025年は国内外から18万人が来場しました。フランス大統領をはじめ、LVMH会長ベルナール・アルノー氏などの要人も多数訪れ、豪華登壇者によるセッションも毎回注目を集めています。
過去記事:
Viva Technology 2025解説──3年連続視察のPRマーケターが読み解く欧州テックの潮流:2025年5月公開記事(2026年2月追記)



10周年のビバテク、今年のトレンドは?
今年、2026年は記念すべき10周年だそうで、開催直前の6月14日(日)に、展示会場を飛び出してパリのシャンゼリゼ通りをジャックする「VivaTech on the Champs-Élysées」が開催されます。数十万人の来場者が見込まれるとのことで、アニバーサリーならではのお祭りですね〜。

今年のテーマにも明確なトレンドが感じられます。
- AIの社会実装と働き方、倫理: 私が初参加した2023年VivaTechは、セッションこそ「AIの時代だ!」と盛り上がってましたが、展示会場にまだAIソリューションは見当たりませんでした。そこから4年、今年のTOPテーマ「AI Impact, Not Illusion(イリュージョンではなくインパクト)」の通り、派手なデモではなく、社会に価値を生み出す実装フェーズのソリューションが並ぶはずです。さらに、AIの影響がどう波及するのか、働くことそのものへの変化「Productivity Reimagined(生産性の再構築)」や「Sovereignty & Ethics(主権と倫理)」といったテーマも数多く議論されるようです。
- AIの進化を支える「エネルギーとグリーンテック(Energy, Greentech & Mobility)」: AIによる電力需要が爆発的に増大するなか、再生可能エネルギーをはじめ、自動モビリティ、スマートシティなども注目テクノロジーです。今年の特別招待国ドイツも含め、欧州が強みを持つクリーンエネルギー分野ともリンクする見どころです。
- 日本では見えにくい「サイバーセキュリティと防衛」のリアル(Cybersecurity & Defense): 地政学的な緊張を背景に、サイバー防衛はますます重要な分野です。戦場により近い欧州の危機感や、防衛テクノロジーについても、実際にこの目で確かめ、体感したいテーマです。
- ディープテックと「フルーガル」な発想(Tech Beyond the Obvious): 欧州のテック投資の44%がディープテックにシフトするなか、一方では、複雑さよりも手軽さを優先する「Frugal Innovation(質素な革新)」も注目されています。AIというソフトウェアの進化だけでなく、ハードウェアや化学、全く新しいテクノロジーの発展は、いつでもワクワクします! 実は今年のVivaTechには、関西広域連合がまさにこのディープテック分野のスタートアップを引き連れて初出展します。2025年の大阪・関西万博の熱気をそのままに、パリで感じる”KANSAI”を楽しみにしています。

特別招待国はドイツ
今年の特別招待国(Country of the Year)はドイツ。スタートアップ約200社に加え、14の連邦州から政府高官や研究機関など150以上のステークホルダーが集結する大規模出展です。ドイツパビリオンでは「AI・ディープテック」「クリーンエネルギー」「主権とレジリエンス」など5つの重点テーマに沿って、ビジネスや社会インフラへの実際の成果が示されます。欧州のイノベーションを牽引する「独仏の強力なパートナーシップ」を可視化するべく、国を挙げた本気が見られそうです。

日本の見どころは?
今年のVivaTechも、2024年、2025年に続きJETROのJapan Villageを中心に、日本からの大規模出展が予定されています。
東京、関西だけでなく、静岡県からAIやヘルスケア・ウェルネス分野、愛知県からモビリティから宇宙・航空分野などのスタートアップが出展するようです。具体的なスタートアップのラインナップは直前に発表されます。
2024年のVivaTechでは、障害のイメージ変容と福祉を起点とした新たな文化の創出を目指すスタートアップ、ヘラルボニーが日本企業として初のLVMHアワードを受賞。その後、海外展開を進め、2026年2月にはパリで初ポップアップショップを開催しています。

さらに!”関西目線”での注目ポイント
そして、関西のスタートアップを応援する私にとって、毎年楽しみなのが、関西スタートアップの出展です!
大阪・関西万博2025やGlobal Startup EXPOなど、大阪のスタートアップ・エコシステムも、昨年から積極的な海外発信が目立っています。今年のVivaTechでは、関西広域連合が関西のディープテック・スタートアップ5社の出展をサポートするとのことで、私も、情報交換させていただきながら、現地での取材を楽しみにしています。
昨年につづき、京都からもスタートアップが出展予定です。KANSAIの存在感、現場でしっかり見届けてきます!


最後に。私の個人的な興味とTips
今回、私が個人的に注目したいのは、「Creative Industries:Technology can generate. But can it create?(クリエイティブ産業:テックは創造できるのか?)」というテーマです。
生成AIの登場で、創造とは何かが問われています。PRやマーケティング、そしてエンターテイメント産業に関わる者として、世界のスタートアップのソリューションや、AdobeCEOのセッションなど注目して見てきたいです。また、AIの世界的権威のフランス人 ヤン・ルカン氏が、メタ社を離れパリを拠点に新しいAIスタートアップを立ち上げた今、何を語るのかもぜひ聞いてみたい。でも、毎年、大量のセッションと広大な展示会場で全然見切れないんですけどね。。。!
VivaTechの超大物スピーカーは、開催直前にサプライズ発表されることが多いです。参加予定の方は、直前までVivaTechのSNSやサイトをチェックしてくださいね!
オンラインで世界中の情報が手に入る時代ですが、現場の熱気や、ふとした会話から生まれるビジネスチャンスなど、リアルな場も大好きです。万博でグローバルに開かれた関西が、パリで存在感を示す今年のVivaTech。現場の空気感を肌で感じ、見聞きしたストーリーを帰国後にレポートしたいと思います。
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