Viva Technology 2025解説──3年連続視察のPRマーケターが読み解く欧州テックの潮流:2025年5月公開記事(2026年2月追記)

VIVATECHのサイン

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今年もVivaTechへ

2025年6月、再びパリの「Viva Technology(ビバテク)」を訪れます。2023年に初めて現地を体験してから、毎年このイベントを見てきました。

特に2024年は、日本が「特別招待国」として大規模に出展し、日本企業の存在感が大きく高まった印象でした。

そして今年2025年は、出展スタートアップの支援にも関わりつつ、より深く現場に関わる予定です。変化する世界情勢の中で、技術・社会課題・国家戦略がどのように交差するのか。現地でしか感じられない空気を確かめてきたいと思います。

Viva Technologyって何?

ビバテクは、ヨーロッパ最大級のスタートアップ&テクノロジー展示会です。パリのポルト・ド・ヴェルサイユで毎年開催され、今年で9回目を迎えます。

特徴の一つは、「大企業とスタートアップの協業を見せる場」であること。大企業が大きなブースを構え、そのなかに協業スタートアップが出展します。もちろん、個別のスタートアップも数多く参加しています。国際色も豊かで、欧米はもちろん、中東・アジアなど全世界から企業・スタートアップが集まるほか、アフリカとの関係が深いフランスらしくアフリカテックも多数出展します。

VivaTechの盛り上がりの背景には、フランスの国策であるスタートアップ振興策「フレンチテック(La French Tech)」があります。2013年からスタートしたフレンチテックは、公的投資や税制優遇、グローバルな情報発信、国内外でのエコシステム形成など様々な形でスタートアップを育成、2022年にはユニコーン28社を達成するなど大きな成果が出ています。マクロン大統領など政府要人がビバテクの初日に毎年来場し、その場で、新たな振興策を発表、注目を集めています。政府の強力なサポートもビバテクを盛り上げているんですね。

今年2月にフランスで開催されたAIサミットで、新たなAI国家戦略を発表するなど、AIやディープテック(最先端技術)分野への戦略投資は引き続き注目です。

ビバテク会場イメージ

見どころ① 日本企業の出展──JETRO主導で、自治体が参加

今年は、JETROでが主導する「Japan Village」での、複数の自治体と企業の参加が発表されています。確認できる範囲では、愛知県、京都府、仙台市、東京都が出展予定です。企業としてはJX Advanced MetalsやSHIMIZU CORPORATIONなどの名前が挙がっています。

東京都・愛知県の挑戦ーーフレンチテックをベンチマークとする日本
東京都は、ビバテクをモデルにしたスタートアップ展示会「SusHi Tech Tokyo」を、2024年から毎年開催し、スタートアップ支援に力を入れています。また、愛知県は、フランスのスタートアップ・インキュベーション施設「Station F」をモデルにした「Station Ai」を2024年10月に開設しました。このような自治体レベルでの日仏連携については、関西でも動きがあります。2025年5月に、関西広域連合とイルドフランス地域圏がスタートアップ支援に関する提携が、大阪で発表されたのです。大阪・関西万博開催を背景とした国際交流が結実したそうです。

今年のビバテクには京都市が出展するようですが、来年以降、ぜひ関西全域で参加してほしいと期待しています。

ビバテク2024のJAPANパビリオンの様子

見どころ② カナダが特別招待国に

2025年の「特別招待国」に選ばれたのはカナダです。

AIやクリーンテック、ゲーム産業などの分野で強みを持つだけでなく、フランス語圏との文化的な親和性も高く、フランスとのパートナーシップにおいても自然な存在といえるでしょう。

カナダは過去最大級170の企業や組織から500人規模で参加予定とのこと。AI、ディープテック、クリーンテック、ヘルステックなどにも注目です。

出展:ビバテク公式サイト

見どころ③ フレンチテックの現在地と世界との距離感

フランスのAI重視路線のもと、今年も生成AIを中心に、どんな雰囲気になるのか楽しみです。一方で気になるのは、世界中の地政学的な変化、各国の協調姿勢の変化などが、実際のイベント会場にどう影響してくるのか。現場の雰囲気も含めて、注意深く見ていきたいと思います。

 今年のスピーカー、現時点(2025年5月末)ではNVIDIAジェンスン・フアン氏が再注目のようですね、とはいえ、毎年、開催直前までスピーカーの発表は続くので、まだまだ大物が来場予定かもしれません!  出展:ビバテク公式サイト

7. まとめ:パリから、”次の世界”をのぞく

普段、日本にいると、日本中心の視点、そして海外からの情報はアメリカ発のものが多くなりがちですが、ヨーロッパから世界中を意識することで、視野が大きく広がります。

東京、愛知、関西など、日本各地の取り組みが、世界のトレンドとどのように繋がっていくのかも見てきたいです。

AIが発達する今だからこそ、オンラインでは得られない、現地の空気感、偶然の出会いなど、リアルな場の価値があります。2023年にパリを訪れた後からフランス語の勉強を再開しています。ビバテクは全て英語で進行するとはいえ、フランス語での交流にも挑戦して、より深いコミュニケーションもしてこようと思っています。

2026年2月追記:スタートアップサポートへの挑戦

VivaTech3年目の2025年は、日本のスタートアップUnited Silkさんを現地でサポートしました。出展社サイドとしてパリで稼働し、来場者とは違う角度でVivaTechに関わり、非常に刺激でした。

世界初のシルク生産技術から、シルクで開発した新素材まで同社のシルクのトータルソリューションについて説明しチームの皆さんとリード獲得、PRに勤しんできました!

United Silk Booth
繭を手にブース対応。どの方もとても熱心に聞いてくれ、同社のソリューションの強さを感じました。

Japan VillageパビリオンSusHi Tech Tokyoエリアで出展、注目スタートアップとして大企業やフランスが誇るラグジュアリーブランド、メディアなどが次々とブースを訪れ忙しい3日間でした。「日本旅行最高だった!」「日本いいよねー」と各国の方に話しかけられることも多く、実際に体験し好感を持ってもらう”草の根外交”の大切さも実感しました。

2026年6月のVivaTechにも、参加予定です!

VIVATECH2025_SIGN
VivaTech名物バルーンサイン、2026年版
LVMH 2026
LVMHパビリオンでは、昨年まであったアワード関係のスタートアップ展示がなくなり、メゾンの展示だけに。
規模もデコレーションも少し控えめになった感じ。